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そんなの決まっているだろう。僕の全てが嘘で出来ているからだ。
人はね、嘘をつき続けてるとその嘘がいつの間にか真実に摩り替わっているんだ。
「嘘」が「真実」に変わる。
あたかも、真実が嘘だったように、嘘が真実であったかのように、人は馬鹿みたいにそれを事実と変えてゆく。
馬鹿げた世界だよ。
本当に、僕のために創られたかのような世界。こんな素晴らしい世界が、他にあると思うかい? 答えは否。有り得ない。そう、ここは僕だけの世界さ。誰も僕に真実を述べることなんか出来ない。そんな地獄のような世界。
でも、そんな嘘だらけのこの世界の中にたった一つ光り輝く真実が僕の前にそれも対に輝くかのように現れた。
それは、僕が全てを覆い隠す漆黒の黒だとしたら。
彼女は全てをさらけ出してしまう永遠の白だった。
誰も知ることはない。
僕だけが知る真実。
その真実は嘘に覆い隠されてる。
でもその真実は嘘の真実を見つけ出した。
それはこの世で僕と君しか知らない誰も知ることはない。誰も知れない。
君と僕の最後の嘘の話をしようか。
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