人生という物語

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人生という物語。 人生というものは、例えるならば一冊の本だと言えるでしょう。 生まれた時に最初の一ページが捲れて、最後のページを読み終えたらその生涯も幕を閉じます。 楽しい物語なのかもしれないし、悲劇的な物語なのかもしれない。もしかしたら、最後にどんでん返しが待っているかもしれない。 とにかく、最後まで読まないとわからないのです。 ……その他人の本を奪って破り捨てるということ、それが人殺しです。 その人にはどんな物語があったのでしょうか。突然次のページが無くなってしまったら、永久に結末を知ることは出来ません。 誰かの物語を勝手に終わらせる権利は、誰にもないのです。 また、自殺というものは自分で自分の本を破るということです。 つまらない物語だとしても、残酷な物語だとしても、まだ最後のページではありません。 何もかもに絶望したとしても、それはまだエンディングではないのです。 そして一番大切なのは、この本は自分一人だけのものではないということです。 見えないかもしれないけれど、どこかに必ず読者がいます。 爛々と目を輝かせながら読んでいたり、今か今かと続きを待ちわびている人がいます。 くだらない物語だと言って、酷評をしてくる読者もいるかもしれません。 しかし、その人は自分のことを見てくれたからこそ、感想を言ってくれたということを覚えていてください。 あなたがあなた自身に正直でいさえすれば、きっと周りの感想も変わるはずです。 人生という本の著者はあなたです。 しかし、思い通りの展開に物語が進むということはほとんどありません。 それでも、決して途中で筆を投げ出さないでください。 あなたの為にも、読者の為にも。 どんな結末になろうとも、あなたが「あとがき」に、『幸せでした』と書けるような、そんな人生を送ってください。
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