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錬は、眩しさから顔を腕で隠した。
「・・グハッ・・・・」
がら空きになっていた腹に男の右拳が入り、錬はトイレの真ん中辺りまで吹っ飛んだ。
「本当にそれで大丈夫なのかい?」
小さな声でぼそりと言った。だが、吹き飛んだ錬には、聞こえる事はない。
「・・てめぇ、なにしやがる!!!」
急に殴り飛ばされた怒りや驚きを抱えながら、立ち上がる。
錬の言葉を男は聞くこともなく、また右腕を光らせて錬の目を眩ませる。
しかし、それを読んでいた錬は、光る前に目を閉じ、男に向かって突進した。
男は、その行動に反応出来ず、もろにその突進を腹に受けて廊下の壁まで吹っ飛んだ。
「・・グッ・・・なかなかやるんだね。」
男は、突進を受けた腹を抑えながら立ち上がった。
錬は完全に立ち上がったら、また視界が塞がれて攻撃が来ると感じ、自らの片方の上履きを脱ぎ、思いっきり男の顔面に向かって投げた。
普通に投げたにしては、速い速度で男へ飛んでいった。
「・・・・・グハッ・・ウッ」
投げた上履きは、男に見事当たり、廊下に転がった。
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