能力者-一人目-

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「・・・油断したな。」 錬は、とっさに先程割れた鏡の破片を手に持ち、男に向けた。 「ウワッ!!!」 男は、鏡に反射した自分の姿で視界を奪われてしまった。 その一瞬の隙に、勢いのついた渾身の拳を顔面に打ち込み殴り飛ばした。 「クソッ!!!グワッ!!」 男は、壁にぶつかり、そのまま意識を失った。 「なんなんだよ、こいつ。」 息を乱しながら、男を眺める。 錬も疲れたのか、トイレの壁にもたれて座り込んだ。 「今から授業行っても、説教確定だし、こいつがなんなのかを調べないと」 疲れた身体を起こし、意識を失っている男に寄り、衣服のポケットなどを調べた。 ゴソゴソ・・・ 「こんなもんか」 男のポケットから出てきたのは、 サイフ 車の鍵 手帳 写真 であった。
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