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もう一度バブルが来るなど夢のまた夢、景気は右肩下がりにぐんぐん角度を激しくして落ちて行き、そしてこの国の息の根を止める最後の役割を果たした、2011年、3月11日の、あのおぞましい大惨禍が起こりました。
大地震から津波、原発事故という雪崩は日本を飲みこみ、最後にこの国が残していた生命力を根こそぎ奪い取りました。
一連の風評被害のゆえに、メイドインジャパンの製品は売れなくなり、外貨獲得が難しくなり、諸外国からの観光客は減り、東北を生産拠点にしていた工場を持つ会社は生産拠点を変えなければならなくなり、あるいは潰れ、サラリーマンの平均所得は落ち込み、経済のデフレ化はとどめることが出来なくなり、負債を賄うために政府は増税し、そうすることで増々国民の購買意欲はなくなり、底のない、底なし沼不況と呼ばれる終わりのない地獄へとこの国を没落させていったのです。
そしてそんな不況をもっとも象徴的に示したのが日本が数か所抱えるスラムでした。
(本当に数か所なのかはわかりません。政府もそれを正確には把握していませんし、そもそもここがスラムでここはスラムでないとする線引きが難しいのです。定義がはっきりしていないので、スラムという言葉は相対的にしか使うことができませんが、ぼくは政府の公式発表にしたがって、日本の一部の貧困地帯をスラムと呼びます)
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