決意

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 ぼくはあの日以来、ネットの世界を彷徨って自分が逃げるための方法を探していました。  しかし相手は超大物政治家兼財界人の私兵たちなのです。それはもはや軍隊といってもいいでしょう。  生半可なことでこれから逃げることはできないと感じていました。  ぼくが物理的にどんなに遠くへ逃げようとも、相手はぼくのほんの些細な残り香すらも残らず嗅ぎ付けてぼくにたどり着くでしょう。  まだ事故のことは公にはなっていないと思いますが、ぼくがどのような方途をとって逃げたとしても、ぼくがこうして存在している以上、ぼくの存在にたどり着くように思うのです。  しかしその時ぼくははっとして昔一度週刊誌で見たある記事について思い出しました。  もうだいぶ前のことになるのですが、その記事は日本にやってきて流民化した朝鮮人やベトナム人などが、自分の存在証明と引き換えにわずかな金を得る、という問題を取り上げていました。
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