序 ―復讐法―

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    警察は復讐法に基づいてこの事件を無罪とし、Kは罪に問われることなく、放免となりました。  これが最初の事件でした。  次に起きた事件はやや複雑でした。  練馬区のある中学校に通っていたHという中学2年生の男子が自宅で首を吊っているのをH少年の母親が、発見しました。  H少年の母親は精神失調に陥り入院しましたが、少年の父親は気丈に、なにか遺書のようなものはないだろうかとH少年の部屋を隈なく検めました。  すると机の引き出しからH少年の遺書のようなものが見つかり、そこには数人の同級生から激しいいじめに合っているという旨が実名入りで書かれていました。  H少年の父親のGは学校側に事実を問いただしましたが、学校側は調査中といって釈然としませんでした。  愛息子を殺された上にいじめの実情(それは本当に残酷なものだったそうです)を知った父親は、そのいじめの当事者である同級生を呼び出し、一人一人に制裁を加えて行きました。
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