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あの日以来私は泣いていない。
こうして卒業式を迎えてみても、皆のように泣いたりは出来ない。
私は今日行かなければならない所がある。
だから一刻も早く式を終えたかった。
記念写真を撮ったりしてる中、私は足早に学校を後にした。
ねえ?
準ちゃん?
約束覚えてる?
私との大事な約束。
卒業式の日…
結婚しよう?
って言ってくれたの覚えてる?
私は忘れた事なかったよ。
「ほらっ!!」
たった今区役所から取ってきた婚姻届けを空に広げて見せた。
そこに私と準ちゃんの名前を書き込む。
「準ちゃん忘れてたんじゃないの?」
意地悪そうに独り言を言う。
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