小さな村のおはなし

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遠い昔のおはなしだ 冷たい雨が降り注ぐ夜 みんなみんな 消えてしまった 刃に全てを切り裂かれ みんなみんな死んでしまった 残るは真っ赤な骸達だけ 冷めたニクに 激しい雨が降り注ぐ それはそれは 小さな村の出来事だった 少年は言う 「君は何のために生きてるの?」 命ははかない 人の心は憎いもの 少年だけが知っている 小さな村の 大きな出来事 村人達が逃げ惑う 他人の頭を踏み付けながら 倒れた人などおかまいなしに なんて醜いものだろう なんて愚かなものだろう 「そんな世界なら ボクが全部消してあげるよ」 少年は笑い 刃を振るう 醜いモノを切ってゆく 愚かなモノを切ってゆく
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