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あたしらは駐輪場にとめてある自転車をだした。
あたしたちの学校は少し遠いとこにある。
自転車で15分かけて駅まで行って、電車で2つめの駅で降りて、そこから15分歩いたとこに学校がある。
こんなんで遠いとか言ってる場合じゃないかもだけど・・
高校は就職に有利なところを選んで、ここに決めた。
ハルくんも同じ理由でここに決めたらしい。
相談したわけでもなかったのに・・
どういうわけか一緒だった。
結局定員割れで全員受かって、あたしはちょっぴりラクした気分だったのを覚えてる。
「ん?・・あれ?」
「どした?」
「パンクしてるかも・・」
キュキュキュ・・
少し引いてみたらパンクの音だ。
触ってみたらペコペコした。
「マジかよ
うしろ、乗れよ」
「え、いーよ
重いしっ・・。
ハルくんに悪いし。
大丈夫だよ!
だから今日は先行って?」
「ばーか。
1時間目数学だろ?
授業少しでも遅れたら、わかんなくなんだろ。
しかもななみの大っ嫌いな教科なんだし。
俺が教えてやんなきゃなんねーとこが増える。
だから乗れ。」
ここまで命令形でくるとさすがに断りにくい・・
ハルくん優しいんだか冷たいんだかわかんないよ・・(笑)
「う、うん・・
途中で落とすのなしだからねっ」
あたしが少し笑いながら言うと、ハルくんはあたしのかばんをひょいと取り上げ、自転車の前カゴにいれた。
そしてあたしは制服のスカートをおさえつつ、ハルくんの自転車のうしろに横乗りした。
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