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「落とされたくなかったらちゃんとつかまっとけ」
あたしは頷いてハルくんのお腹周りに片手をまわした。
ハルくんはあたしがつかまったと同時に自転車をこぎはじめた。
自転車はすいすいとブレることなく進んでいく。
見た目は細いけど、男らしいがっちりしたハルくんの体に片手をまわした。
「ありがとね?
乗っけてくれて」
「貸し1。」
「借り1・・
なんか返すよ・・今度」
駅の駐輪場につき、自転車をとめると、ハルくんが前カゴにのっている自分のかばんとあたしのかばんをひょいと取り出した。
ハルくんは自転車から降りたあたしにかばんを渡してくれた。
ハルくんは意地悪なときもあるけど、なんだかんだ優しい。
無表情なことが多いけど、たまに笑ったときとか可愛いなって思う。
そんなハルくんに最近ドキドキする。
いつからか意識しちゃってる。
いつからかわかんない。
これが恋っていうもの・・?
今まで一緒にいすぎて気づかなかったけど、これが好きってこと?
恋愛未経験のあたしにはまだ知らないことがたくさんある。
好き?
自分ではよくわからない。
でも最近すごく意識してること。
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