たぶん…まだ

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「いつか…その時まで」 あの時、君が言った言葉を思い出した あの時ほど君に恋焦がれた時間は無い お互いがお互いしか見えてなくて、「好き」が溢れていた温かい時間… でも、君は俺の前から去っていった 君には夢がある 俺にも夢があった 互いに違う「夢」を追いかけ続けていたから次第に2人の気持ちも合わなくなって 『もう…やめましょう』 『………』 『もう…』 「どした?…ぼーっとして」 「あ…、あぁ…ちょっとね。昔の事を思い出してた」 「ふぅん…そっか。」 アイツの声で現実に帰った "君"とは違う"アイツ" 「今日は?」 「今日もちょっと遅くなるかな。局の資料を整理しなきゃならないし」 「そか…人気キャスターは大変だな」 「ごめんね。最近まともに帰れてないよね」 「いい…ずっとかえってこねぇわけじゃねぇから」 アイツは俺の夢に付き合ってくれる 俺は仕事柄、家に帰れない事がしばしば 時々不満を漏らすこともあるけど、それでも一緒にいてくれる大切な人 君と居た頃のキラキラ輝く様な恋愛と違って今は穏やかだけど 多分俺にはこれが合ってる 「じゃ、いってきます」 「おぅ、いってら」 今日もいつもの暮らしは続いて行く .
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