たぶん…まだ

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朝の通勤ラッシュ 騒がしい街並み すれ違って行く名も知らない人たち うだる様な夏の暑さに、多少の嘔吐感に苛まれながらも気をしっかり保って道を行けば 「…ん?」 この朝の忙しい時間帯には珍しい人だかり どうやら皆モニターを見ているようだけど… 「あの人の演技いいよね~」 「あ、わかる!!私大好き!」 通り過ぎる傍ら聞こえてくる黄色い声 新人俳優のプロモ映像が流れているみたいだった 野次馬心が騒いだが、バレるのはごめんだからちらっと見上げてみる すると… 「…………!!」 風がピタリと止んだ モニター以外の景色が止まったような気さえした 何故なら… …そこには軽やかな動きで演じ踊る"君"が居たから 『いつか…』 頭に甦る鮮やかな記憶 もう消えかけていた思い出 『いつか…また』 『2人が出会った意味が分かる時まで…』 .
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