第零章

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――桜が舞うこの季節。今日のこの日はほとんどの学校が入学式。 新しい制服を恥ずかしそうに着てる生徒達の姿はとても初々しい。 そして、この俺も一緒で少し大きめの制服をきちんと着て、ある人の話しをパイプ椅子に座りながら聞いている。 「私はこの桜之高校の校長を勤めさせていただく平野と申します。さっそくですが――――」 校長の長い話しが始まると暇になり辺りを見合わす。 俺と同じ考えをしてる人が何人かいてその人達もキョロキョロと辺りを見合わしていた。 大抵どこの学校も校長の話しを真面目に聞く奴なんかいないと思う。 校長涙目だな。 この日の温度は"春"って感じの温度で凄くポカポカしている。 だが、かなりの人数が体育館に集まってるせいで少し暑い気がする。 そんなこんなで、校長の長い話しも終わりに向かおうとしていた。 「――――であるから、新入生諸君は頑張ってくれたまえ」 校長の長い話しも終わり生徒達は皆、先生の指示に従い教室に向かう。 ザワザワザワザワ 「それにしても話、長かったな」 「俺あくび7回もしちまったぜ」 「相変わらずだな空は」 「宏介だってそうだろ」 俺は空と他愛もない話をしながら出来立ての校舎を歩いていた。 この学校は今年出来たばかりの新しい学校で、壁から床まで全部綺麗だった。 そう、今日俺はこの桜之高校に入学した。 .
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