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なんてのは嘘ぴょん。
舞との会話で程よく時間が費やされたおかげか、ドアノブが回る音を聞いた。
「ほら、彼女には挨拶がまだだっただろう。ボクに構わず、彼女に挨拶に行くといい」
「熱い熱い熱い熱い! 鉄板持ってた鍋掴みで地肌に触れるな!」
「おやおや、これはすまないねぇ」
エクスフラメーションマークが無かったからか、一見おしとやかに聞こえるだろうが、それは勘違いだと言えよう。
般若を思わせるような怒気のこもった顔と声。
それは正しく、舞には似合わないにも限度があるような挙動だった。
よくわからないままにキッチンを追い出された俺は、渋々玄関にいるであろうターニングポイントの下へ向かう。
「………おはようございます、信二」
「あぁおはよう、八雲」
八雲礼。舞と同じく、神殺しの仲間にして宇宙人。俺にとっては始まりの少女だ。
深い蒼色をしたショートヘアにが片目を隠し、黒を基調とし、フリフリの先が白いゴスロリ服。
背が小さいからか、その姿が妙にマッチしていて、しかしもう一つの理由で俺は嘆息。
……まだ着ていたのか。
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