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二ヶ月程前に遡る。
俺の友人、瀬能楓という少女が誘拐された。
彼女を助け出すべくして、雲雀ヶ崎此奈多、八雲礼、俺の三人が動いていた。
その時、雲雀ヶ崎此奈多の手によって、戦闘服をゴスロリ服に設定されてしまった。
その衣装を貰ってからというもの、クリーニングに出しては着てを繰り返す。
要するに……ゴスロリ服を気に入ってしまったのだ。フェイバリットしてしまったのだ。
余談だが、もう一つの理由ってのは、ゴスロリ服を着る際に長髪を捨てたので、そのショートヘアを見ては、毎回愕然としているのだ。
はてさて。
俺は八雲の両手に掲げられた、大量に物や食材の詰められた袋に目線を落とす。
確か、八雲は買い出し担当だったっけな。
「………信二」
「ん?」
これまた珍しい。
こいつが自分から俺を呼ぶとは。明日、空から車が降ってくるかもな。自転車も有り得る。
しかし、目を星を散りばめたように輝かせているのは、一体何故だろう。
「………ドン・キホーテは、面白い店舗ですね」
急いで袋に目線を戻す。
その袋は、よくよく目を凝らせば、パーティー用品で溢れていた。
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