信二ワープ

7/27
前へ
/154ページ
次へ
二ヶ月程前に遡る。 俺の友人、瀬能楓という少女が誘拐された。 彼女を助け出すべくして、雲雀ヶ崎此奈多、八雲礼、俺の三人が動いていた。 その時、雲雀ヶ崎此奈多の手によって、戦闘服をゴスロリ服に設定されてしまった。 その衣装を貰ってからというもの、クリーニングに出しては着てを繰り返す。 要するに……ゴスロリ服を気に入ってしまったのだ。フェイバリットしてしまったのだ。 余談だが、もう一つの理由ってのは、ゴスロリ服を着る際に長髪を捨てたので、そのショートヘアを見ては、毎回愕然としているのだ。 はてさて。 俺は八雲の両手に掲げられた、大量に物や食材の詰められた袋に目線を落とす。 確か、八雲は買い出し担当だったっけな。 「………信二」 「ん?」 これまた珍しい。 こいつが自分から俺を呼ぶとは。明日、空から車が降ってくるかもな。自転車も有り得る。 しかし、目を星を散りばめたように輝かせているのは、一体何故だろう。 「………ドン・キホーテは、面白い店舗ですね」 急いで袋に目線を戻す。 その袋は、よくよく目を凝らせば、パーティー用品で溢れていた。 _
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加