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七月七日。
全国的には七夕と呼ばれる今日この日は、我が幼なじみの河南子の誕生日だ。
本人は誕生日があるたびに、パーティーを開かなくては激怒するようなあん畜生なので、毎年朝早くから準備をする。
……ちなみに、パーティーの飾り付けを任された俺たちの現時刻は、四時半。
起こされたのが、三時。
釣りに行くんかとツッコまれてしまいそうな時間から、今にかけて。
一時間半という時間を費やし、ようやっと飾り付けを終わらせた。
「終わったぁ……」
言葉の語尾にて嘆息。いやはや、眠い眠い。
それにつけても、この紙の輪っかを繋げただけの飾りは、どうしてあるのだろう。
パーティーの風物詩として、もはや当然のように居座っている。
河南子曰く、陶然たる至極の桃源郷が如し物とのこと。
どうしても同意は出来ないが、まぁ乏しい先入観で物を決めつけてはいけないか。
はてさて。
飾り付けがてら、厨房にてずっと調理に回っている舞に朝の挨拶に行こうかね。
……ところで、馬河南子はどこに消えやがった?
そんな疑問を念頭に置きつつ、俺は舞と朝最初の挨拶を交わした。
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