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――タン タン
――シャン
綺麗な音と綺麗な音が交じる。
祭のような囃子(はやし)だけど、神楽のように澄んだものに聞こえた。
浮き世離れした音を聞きながら、きつく掌を握る。
強情なのはおばあちゃんの受け入りだ。
何とかしたくもないが、死にたくもない。
これが大げさな表現でありますよーにっと心の中だけで手を合わせる。
――タタタタタ
残す所、十の鳥居で急激に早くなる音。
気合いは空元気だが、根性はある方だ。
通学鞄以外の荷物は全部地面に置いて、こちらに近づいてくる何かに身構える。
ゆっくりと深呼吸をする。
おばあちゃんはいつも不思議なことを言っている。
――この世に存在しないものはない――見えない、だけ
猫は何も見えてないようにゆったりと尻尾を振った。
――ダンッ!
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