壱:鳥居のムコウ

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なるほど、今日で運を使い果たしてしまうらしい。 少女は両腕にぶら下がる一年分のお菓子を見下ろした。 商店街の福引で当てた三等の景品ーー最高記録、参加賞の少女にとって快挙だ。 マヨキャベツや、人参の甘露煮味などなど、未知なる味も混ざっているが気にしないでおこう。 少女はそう考え、素直に喜ぶ事に専念した。 不思議なことに、今日は非常に運がついている。 遅刻すると思ったのに、担任が少女以上の大遅刻。 ジュースをおごってもらった。しかも、こぼさなかった。 両腕にぶら下がる福引の3等。
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