名無しシリーズ

カルタ

あと、他に、さっきの倒れた彼をご覧になって理解されたように、今、座っているその場所、そこから規定以上の範囲に利き腕の道具を動かしてしまいますと、道具の後方に張られた紐が引っ張られ、起動する電流をカットしている栓が抜かれ、道具が作動してしまいますので、それも十分に気をつけて遊びを楽しんで下さい。くれぐれもパニックにならず、落ち着いてカルタを楽しんで頂くようお願いします。以上、説明を終わらせて頂きますが、注意点としては、この音声は予め録音をし、その上での説明でしたので、その場その場の状況に応じての判断はこちら側ではし兼ねません、そちら側個人での判断を最優先して下さい、無論、意見やそちらの質問にもお応え出来ませんので、ご了承下さい。では、二、三分の休憩を経て、カルタの読み上げを開始致しますので、もうしばらくお待ちください』

長ったらしい説明が終わり、半分以上頭に入って来なかったものの、どうやら自分は、非道な遊びとやらに参加させられているようだった。
いや、参加させてもらっていると言うべきか。

目の前に並べられたカルタの取り札を見ると、まさに幼稚園、保育園レベルの平仮名が一つ書かれたカードに、読み札の言葉と一致するであろう可愛らしい挿絵が書いてあった。