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だとすれば、この遊びに参加する必要は無い。
黙って相手が取り札を取っていく様子を、眺めていれば良い、確かに利き腕を失ってしまうのは、正直怖いけれど、どうしようもなく怖いけれど、最悪の状況にならない限り、命だけは助かるのだから。
覚悟を決めろ、俺。
右腕が無くなってしまうのなら、左利きになればいい。
右腕が無くなってしまうのなら、左腕に頼ればいい。
腕の一本くらいで、長い人生のどこにし支障をきたすというのだろうか。
世の中には、四肢の半分以上を失ってもまだ、生きようとしている者が居て、生きる希望を失わない者が居て、生きるべき人間が山ほどいるというのに、四肢の四分の一程度の消失に恐怖を感じているようじゃあ、つまらないだろう。
ならば、いっそのこと失って、それから考えよう、先の事は。
昨日みたいに草野球を楽しむ事は、少しばかりお預けになってしまうだろうけれど。
楽しかったなあ、昨日の野球。
途中の暴投、しくったなあ。
空振りの三振、悔しかったなあ。
あいつのエラー、面白かったなあ。
あいつら皆、本当にいい友達だぜ。
これ終わったら、また集まって遊びたいなあ。
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