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「あああああいやだああああ!!」
「うあああああ!!」
「やめろ!!やめてくれええ!」
その光景は、その絵図は、回りの七人を恐怖に落とし入れるには十分で、次々と回りの人間も叫び出した。
だが、それだけでは終らず。
立ち上がった男の利き腕の機械は、さらに駆動する。
完全に関節を無視した一回転から。
肘を、外側に向けて。
ガチャン!と。
「ぐううううううううあああ!!!」
男は機械を壊そうと、精一杯の力で掴み、叩き、壁に押し付けるけれど、びくりともせず、さらに。
更に。
次の駆動に移った。
肘を外に曲げた状態の腕を、さながら空き缶のように、一気に圧縮するように、潰す。
ぷしゅうう。
と、空気を抜くように。
パァン!と、何かが破裂するような音と共に、四方八方に赤黒い物が飛び散り、圧縮された機械からは無惨な皮膚が垂れ、至るところから血液が溢れ、噴射し、滴り、畳の色を変える。
男はもう悲鳴を上げる意識も無いようで、眼球は上を向き、鼻からは血を流し、泡を吹いている。
立っているのがやっとであろう。
立っているのさえやっとであろう。
地獄絵図という単語さえ霞んでしまいそうな、滲んでしまいそうな、非道な出来事だった。
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