高嶺の花

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「いや、居ないだろ。っつーか、あの態度は――」 えっ? 「男、知らないだろ?」 はっ?! い、今なんてい言った?! 「はぁ?!あり得ねぇだろっ、あんだけ美人で男が居ないなんて」 「いや、それより男知らないってなんで?」 そ、そうよ!なんでアンタに分かんのよ!! 「ん?妙にガードは固いし、慣れてるようでスレてない。  まぁ、半分は俺の勘、かな?」 何?!その意味不明で自身満々な理由はっ! 大体、誰よ!こいつ!! あたしは張り付くように壁際から覗き込んだ。 見える靴から分かるのはきっと営業マン。 だって、ピカピカな革靴だもの。 で、人数は……3人かな? 「あははっ、なんだよそれ」 「じゃ、賭けてみるか?」 「どうやって見極めんだよ?」 「俺が落とす。簡単だろ?」 「はぁ?それってただの自己申告じゃん」 「っつーか、絶対フラれるね。社内で誰もあの『高嶺の花』を手にしたヤツは未だかつていないんだから」 『高嶺の花』 これって絶対褒め言葉じゃない。 お高く止まってるとか、高飛車だって言いたいんでしょ? 好きじゃないから断ってるだけなのに……。 もう、今じゃ真面目に告白する人もいなくなって清々してるけどね。 .
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