高嶺の花

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受付の仕事は7時まで。 今日は遅番だから、みんなが帰るのを「お疲れさまでした」と笑顔で見送るのもあたし達の仕事。 「ほら、あれだよ」 隣で囁く琴ちゃんの指さした方を目だけで追うと、スーツ姿の集団。 「真ん中にいるダークグレーのスーツ」 言われなくても分かるくらい、彼のことは記憶してる。 明るめのアッシュブラウンの髪が揺れる。 あの時は座ってたから分かんなかったけど、身長は180を越えてると思う。 スラッとした体型にダークグレーのスーツ、 仲間達と話しながらやってくる彼の顔には、あの甘ったるい笑顔が張り付いて・・・・・・。 「ちょっと、ガン見し過ぎだよっ」 わっ、そうだった。 まだ仕事中!って・・・・・・。 あ・・・・・・ 目があっちゃった――――!! .
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