高嶺の花

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ドクンとあたしの心臓が音を立てる。 な、何か言わなきゃ! これじゃ、見とれてるみたいじゃない!! 「お、お疲れさまでした」 咄嗟にニッコリ笑って受付スマイル。 あたしの声に、彼の周りの人たちは逆上(のぼ)せそうな顔で「お疲れ~」と返すのに・・・・・・。 「お疲れ」 彼だけははっきりとした口調でそう言うと、お返しとばかりにあの甘ったるい笑顔を向けて来る。 負けてなるものかと、引きつりそうになりながら笑顔を作り見送ったけど、榊たち一団は特になんのリアクションもなく通り過ぎていった。 ちょっと拍子抜け・・・・・・。 あの会話はちょっとしたジョークだったのかしら? もしくは考え直したとか? 実際、話してみてあたしはタイプじゃなかったとか? ・・・・・・まぁ、それならそれでいいんだけど。 やっぱりちょっとムカつく。 .
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