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それから彼は上海でのことを話していたけれど、そんなことに興味のないあたしは綺麗に上の空。
考えるのは明日は早番だから早起きしなくちゃとか、
ネイルも剥げかけてるから塗りなおさなきゃとか、
明日のパンプスを用意しなくちゃとか・・・・・・。
「・・・・・・なんだけど、聞いてる?」
「あっ、えぇ、はい」
聞いてませんでした。
とは言えないから持ち前の受付スマイルで見上げると、彼は心底嫌そうな顔をした。
「その顔、やめてって」
「はぁ?」
ぐにっ
「ちょ、ちょっと!!」
何すんのよ!この男は一度ならず二度までも!!
両頬をつかむ手を振り払ってキッと睨むと彼は「やっぱりそっちがいい」と言って薄く笑ってた。
・・・・・・ムカつく!
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