ある日のブラックダイヤ

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「申し遅れましたが、わたし店長代理を務めさせてもらってるんです」 すかさず名刺を取り出す手付きは手慣れたものだった。明るい声で自己紹介を済まし、笑顔も忘れない。 「オープンしてまだ半月なんです、この店舗!今なら記念って事で割引も効かせちゃうよーに店長に相談させて頂きます!」 タエはフレンドリーに、わたしに任せて!と言わんばかりに胸を張った。 ところが、その女性客は急に顔を曇らせる…。 「どうなさったんですか?」タエは首を傾げ、その女性客の顔を覗き込んだ。 自分の曇らせてしまった顔に気付き、ハッとした彼女は、すぐに明るく振る舞うも、少し恥ずかし気にそっと小声で呟いた。
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