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「おい、手を離せ」
すると、その声と共に腕から痛みがひいた。
見上げると、王道君の手を掴むサエの姿が目に写った。
「何すんだよ!」
「相手が痛がってるのがわからないのか?」
サエはそう言い王道君の手を離すと、俺の腕を掴んだ。
「大丈夫か?」
「ああ、うん。ちょっと赤くなってるだけ」
サエ優しー…でももう少し早く助けて欲しかったかな。
サエは俺の腕の赤くなった部分を撫でると、手を離した。
「ごめん都希…俺がすぐに離れなかったから…」
俺の腕を見た優が謝ってきた。
「いいよ。全然痛くないから」
心配させまいと腕を見せ、優から離れた。
「ずるい…!俺も撫でて!」
「……へ?」
そこで聞こえた王道君の言葉に、俺の目は点。
何故お前の頭を撫でなければいけない!?
「そいつだけ撫でるなんて不公平だろ!?な!」
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