一年契約

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  「銀くーん! 水持って来ましたー!!」 事の原因を生んだ御本人様襲来。 桶に汲んだ水をちゃぷんちゃぷんと揺らしながら、沖田がやって来た。 ――この水の量からして、そこらに水を撒き散らしながら歩いて来たのだろう。 流れ作業で桶の中に怪我人の腕を突っ込む。 冷たさと痛みに、田村は小さく悲鳴を上げた。 暫くこうしていると徐々に痛みも鎮まり、山崎によってきつく布が巻きつけられ固定された。 指もちゃんと動くし、あまり不自由さは感じられない。 丁度治療が終わった頃。 いざ田村を帰そうという時になって、何やら外の方が騒がしくなってきていることに気付いた。 文武館から続々と人が出て来ていたのだ。  
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