足跡

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このアパートが1DKだということは既に知っている。 手前のキッチンを見回す。 コンロの上の鍋には、朝食べて行ったのか野菜の入ったスープが冷たくなっていた。 俺はその鍋に火をかけ、再び辺りを見回す。 袋に入った食パン。 バターの空き箱。 中身は冷蔵庫だろうかと扉を開けると、ちょうど目の高さにそのバターの容器があった。 テーブルに食パンを2枚並べ、厚めにバターを塗る。 食器棚から器を取り出し、温まったスープをよそう。 パンが焼けたところで奥の部屋のテーブルに胡坐をかいた。
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