初めての朝

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 私にはこの人の頭の中の方が、どうして? だ。  私は軽く睨みつけるように彼を見て  「どうしてじゃないです。あなたには悪いですが、私そんな気ありません」  「じゃあ、そんな気になってもらえるように頑張るよ」  なんともポジティブな返事が返ってきた。 「どうして……?」 「君が欲しくなったから」 「――っ!?」  恥ずかしげもなくそう言われて、火が出そうなほど赤面した。  「今日は許してあげるよ。だけど……次に君を捕まえたときは、全力で行くから覚悟して?」  彼がどうして私に執着しているのかは分からない。  でも、とりあえず今は解放してくれることは分かった。  だから私はコクンと頷いた。  けれど―――  「分かりました。だけど一つだけ」  「ん。何?」  彼は私の顔を、何を言いだすんだろうという表情でじっと見つめてきた。
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