① 理由

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一週間後には僕が仕事で出掛けている間に、僕に何も告げず旅行鞄に着替え、化粧品を詰め込み友達の所へ泊まりに行ってしまった。 とどめはその友達から妻の気持ちを聞かされた時だった。 「加奈子は、あなたの事を愛する努力をしている。結婚する前から今までずっと…。でも、まだ出来ないでいるのよ」 「彼女にはあなたと結婚する時に、迷った人があと2人居て、その中であなたを選んだのよ。 選んだ理由(わけ)は経済力とあなたが優しい人だったから… そして、あなたが絶対に幸せにするって誓ったからなのよ」 それを聞いた僕は目の前が真っ暗になった。 妻の今までの態度が、それが口から出任せでは無い事を物語っていた。 何よりも屈辱的だったのは、それを本人からではなくその友達から、聞かされた事だった。 でも、僕は平静を装って、感情を圧し殺し、妻との和解を選んだ。 その後の僕は、自分が悪いと思っていないのに謝った。
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