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一週間後には僕が仕事で出掛けている間に、僕に何も告げず旅行鞄に着替え、化粧品を詰め込み友達の所へ泊まりに行ってしまった。
とどめはその友達から妻の気持ちを聞かされた時だった。
「加奈子は、あなたの事を愛する努力をしている。結婚する前から今までずっと…。でも、まだ出来ないでいるのよ」
「彼女にはあなたと結婚する時に、迷った人があと2人居て、その中であなたを選んだのよ。
選んだ理由(わけ)は経済力とあなたが優しい人だったから…
そして、あなたが絶対に幸せにするって誓ったからなのよ」
それを聞いた僕は目の前が真っ暗になった。
妻の今までの態度が、それが口から出任せでは無い事を物語っていた。
何よりも屈辱的だったのは、それを本人からではなくその友達から、聞かされた事だった。
でも、僕は平静を装って、感情を圧し殺し、妻との和解を選んだ。
その後の僕は、自分が悪いと思っていないのに謝った。
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