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しばらくすると、見慣れない女性が現れた。
首にはおおよそ、その華奢な体には似つかわしくない、一眼レフをぶら下げていた。
綺麗な人だな、と思った。
長い髪がとても印象的だった。
初めて見るその女性は、そこに居る誰とも知りあいではないようだった。
僕たちから少し離れた所からカワセミの写真を撮っていた。
そのカメラに付けていたレンズはどう見ても望遠レンズではなかった。
多分、小さくても写っていれば取り敢えず満足する、そんな感じだった。
僕はその女性を気にしながらも、昼休みの終わりを告げる携帯のバイブレーターと共にその場を離れた。
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