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友人の家の前にやって来ました。 昔、よく泊まった事が思い出されます。
すると、玄関の扉が開き友人が、笑いながら出て来ました。
しかも、友人といっしょに笑いながら出てきたのは、かつての自分の彼女・・・
2人は、自分に気付かずに通り抜けてしまいました。
ぼーぜんとする、自分を横目に2人は楽しそうです。
急に、彼女が立ち止まりました。
「やっと、気がついてくれた」
と思った彼は、彼女に近付こうとした時・・・
「来ないで!貴方は、何故ここに居るの? 死んだ筈でしょ」
まだ、何か未練でもあるの?
私の事なら、もうほっといて!
と言うと、友人の元に走って行きました。
「どうした? 忘れもの?」
と友人が、彼女に言います。
「ううん、何でもない
気にしないで、行こう・・・」
と彼女が言いました。
彼女は、昔から霊媒体質で異世界の住民を見る事が、出来たそうです。
無惨に、期待を打ち壊された彼は、帰る場所も無いまま歩き始めました。
行き着いた場所は、スクランブル交差点。
この中に、自分の存在に気がついてくれる人がいると思ったのでしょう。
道行く人々に、声をかけ続けたのです。
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