92人が本棚に入れています
本棚に追加
彼は、既に自分が死んでいる事を、理解しています。
このまま本来の居る世界へ、導くのが相応しいと考えました。
しかし私では、力不足ですから知り合いの住職に協力してもらう事にしました。
彼に、この世に未練が無いか聞いて見ました。
未練が有れば、上手く上がれません。
すると、未練では無いが家族の事が、気になっていると言っています。
最近、家族の会話も少なくバラバラになった感じがすると…
仕方ない事ではあります。
彼が亡くなった事で、何かしらの変化があったのでしょう。
彼には、家族の事は心配しないようにして、本来の世界へ上る事に専念する事が、家族の為にもなると伝え住職の元で、浄化されました。
その後、私は彼の友人として彼の仏壇で手をあわせ、生前彼が話していた家族の話をして家を後にしました。
私に出来る事は、この程度の事位でしかありません。
下手に霊が見える事を伝えれば、ただの変人か宗教絡みの人間だと思われてしまいます。
しかし、家族に生前の彼が話していた、家族の話をした時にみんな和やかになった感じがしました。
少しでも、和やかになるなら私の行動も報われた様に感じます。
大勢の人間が、行き交うスクランブル交差点。
全ての人間が、本当に生きているとは、誰にも言い切れないのです。
貴方の目の前の人物は、この世の人間ですか?
もしかしたら…
完
最初のコメントを投稿しよう!