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「悪い、麻宮くん。 ちょっといいかな。」 終業時間間近、私は部長に呼ばれた。 事務所の隅にある、パーティションで仕切られた簡易的な部屋。 ほとんど使わないけど、一応“会議室”。 部長は私の返事も聞かずに、先に会議室に入っていった。 「…失礼…します。」 私は少しおどおどしながらドアを開けた。 「…あの…何でしょう?」 部長は、目の前に座るよう無言で促した。 50歳を目前にした、少しお腹が中年太りの部長。 優しくて、私達部下からも人望がある。 .
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