「響歌高等学校」

3/10
前へ
/10ページ
次へ
それより皆がざわついた理由は、おっている両方の袖から見える蛇と、裾から見える昇龍と黒龍の刺青であった 昇龍…縁起が良いとして人気 後漢時代の儒学者『許慎』が記した最後の漢字字典[説文解字]によると、“龍は冬の間、川や池、沼といった水辺の深みに息を潜め、春分になるとその身をくねらせて天に昇る”と記されており、昇龍とは“永く辛い季節を過ぎ、心躍るような希望溢れる未来を象徴する姿”とされている。 黒龍…五行思想では黒は北に位置するものなので、黒龍は北方を守る神聖な龍とされ、「北方の黒い水神」と伝えられた。 黒龍には邪悪な側面もあり、最も邪悪な龍といわれている。 蛇…脱皮を繰り返すことから「不死」「再生」「若返り」のイメージを連想させる アッシリアでは、天地創造神である三位一体を表すのに 「創造」「生命」「男根」を象徴 教室の空気が凍り付く 「…どうも!村山彗月言います。今日から訳あって藤中高校に来ました。よろしゅう。」 『よろしゅう~?』 痺れを切らしたキャバが声を出した 「俺、生まれも育ちも大阪やねん。んで、中学ん時に訳あって東京にきよったんよ。」 クラスの緊張がほどけた どんな怖い奴かと思っていたら、普通に明るくフレンドリーだったからだ。 『おーけーおーけ彗月ね!俺は中津!通称チャラ、よろすぃくぅっ!!』 「自分めっちゃホストみたいやな。若いときからそんなんやりよったらハゲんで??」 『赤パツもハゲるっしょ~!』 「やかまし」 スパコン! 『ぬはっ!!』 ツッコミきょうれつぅ~! 『お前等、あとは休み時間にしろ。授業始めるぞ!村山、そうだなぁ…坪野の横に座れ』 「えーっと、坪野はどこや?」 『ここ』 ヒラヒラ 坪野は俺に手をふって、場所を教えてくれた 「どうも!村山です!」 『よろしく。彰でいいから』 「おう!」 なんやかんやで、1時間目が終わった。 ガヤガヤ 「いっぱい来た(笑)」 クラスの奴等が俺の所に一気に来た 『その髪型いかついね~!しゃれおつじゃん!』 「ありがとー!」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加