「響歌高等学校」

9/10
前へ
/10ページ
次へ
[しゃべんじゃねぇ!] ドズッ! 『ぐっ…!』 先の尖った靴がもろ腹に入った [鉄板入りの靴じゃ。効くだろ~?] そいつは一回笑うと、また蹴ってきた 『ぐっ…うっ…いっ…!』 [止めろ!] 借金取りのボスが一回止めた 『ゲホッゲホッ!』 [よーよー。息子さんよぉ…。あと6万足らんわ] 『ざけんな…宗光…!』 俺はボスの宗光を睨んだ バキッ! 宗光は俺を一発殴った 『つっ…!』 口角を触ると、切れて血が出ていた 『てめぇざけんじゃねぇぞ…今月は20万だろうが…!』 チッチッチッ 宗光は舌を鳴らして人差し指を左右にふった [残念。また俺等んとこにあんたの親父が来た。6万貸してくれってな] 周りにいた奴等は俺等を見て笑った [彰…すまねぇ…つい…!] 傷だらけの親父が俺に謝った 『チッ…!』 [で、今すぐ6万。持ってこいよ] 『…!』 ざけんなよ親父…! [黙っとらんで何か言ったらどうじゃ!] ガシッ! そいつは俺の髪を掴んできた 『つっ…!』 俺が返していく度にどんどん借金増やして行きやがってよ… そのくせてめぇは働かねぇで…ギャンブルばっかしやがって… [おい!黙っとらんで何か言わんかい!!] [彰ぁ…!] それで今までかーさんにばっか働かせて… てめぇのせぇで体壊してあげくの果てに過労死だぞ……? でもよ…俺が働いて残りを全部返すのは… 俺がかーさんに頼まれた約束… 病室で二人っきりになった時… 涙を流しながら俺に伝えた約束… あんなクソでバカな親父だけどよう… かーさんが愛した最後の人だからよ… 俺は1度交わした約束は破らねぇからよ… [おい!!] 『うっせぇな!!今は6万なんて大金ねぇに決まってんだろ!クソボケ!!』 […!こんガキャア!!!!!!!!!!!!] 宗光の後ろに居った借金取りが武器を持って俺の周りに集まって、一斉に殴ってきた
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加