603人が本棚に入れています
本棚に追加
「さて、他に意見は-はい、須川」
「俺は中華喫茶を提案する」
須川が立ち上がる
「中華喫茶?チャイナドレスでも着せようっていうの?」
「いや、違う。俺の提案する中華喫茶は本格的なウーロン茶と飲茶を出す店だ。(中略)近年、ヨーロピアン文化による中華料理の淘汰が世間では見られるが、本来食というものは-」
すごい熱弁だな
「アキ。それじゃ、須川の意見も黒板に書いてくれる?」
「あ、うん」
そうして書かれた言葉
【候補③ 中華喫茶『ヨーロピアン』】
……………………
ガラガラと教室の扉が開き、西村先生が入ってくる
「皆、清涼祭の出し物は決まったか?」
「今のところ、候補は黒板に書いてある三つです」
島田がそう言うと西村先生は黒板を見る
【候補① 写真館『秘密の覗き部屋』】
【候補② ウェディング喫茶『人生の墓場』】
【候補③ 中華喫茶『ヨーロピアン』】
「……補修の時間を倍にした方が良いかもしれんな」
何だと!?
『せ、先生!それは違うんです!』
『そうです!それは吉井が勝手に書いたんです!』
『僕らがバカなわけじゃありません!』
クラスメイトをなんの躊躇もなく捨てた!
「馬鹿者!みっともない言い訳をするな!」
西村先生の一喝
「先生は、バカな吉井を選んだこと自体が頭の悪い行動だと言っているんだ!」
ひでえ
まあ……後は任せるか
俺は教室の奴らが盛り上がりだした頃に眠る
最初のコメントを投稿しよう!