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『アキ、ちょっといい?』
『ん、何か用?』
『用って言うか、相談なんだけど』
島田が明久に話しかける
俺は密かに聞き耳を立てる
『相談?僕で良ければ聞かせてもらうけど』
明久への相談か……
『うん。ありがと。多分、アキが言うのが一番だと思うんだけど-その、やっぱり坂本をなんとか学園祭に引っ張り出せないかな?』
やっぱり坂本か。ま、喫茶店の成功には必要不可欠な人材だな
『う~ん、それは難しいなぁ……。さっきも言ったけど、雄二は興味の無い事には徹底的に無関心だからね』
まあ、基本的にそうだろうな
『でも、アキが頼めばきっと動いてくれるよね?』
その根拠はどこから?
『え?別に僕が頼んだからって、アイツの返事は変わらないと思うけど』
『ううん、そんなことない。きっとアキの頼みなら引き受けてくれるはず。だって-』
『そりゃ確かに、よくつるんではいるけど、だからと言って別に』
『だってアンタたち、愛し合ってるんでしょう?』
「ブフッ!」
思わず吹き出す俺
『もう僕お婿に行けないっ!』
明久が悲鳴まがいの叫びを上げる
『誰が雄二なんかと!だったら僕は、断然秀吉や倖の方がいいよ!』
ダッ!(荷物を抱えて走り出す音)
俺は無意識に教室から飛び出していた
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