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「俺は男だ」
断言する
『『『な、なんだって!?』』』
クラス大半から声が上がる
「わからなかったのか!」
確かに……俺は髪は切ってないから長いし、声も普通の男子より高めだし、外見女子でナンパされかけたこともあるが、やはりこうなったか
「嘘!?アンタ、男だったの!?」
「全然わかりませんでした!」
島田と姫路が驚く
「ズボンはいてんのにわからんのか!」
「でも、女子でズボンはいてるのいるし!」
「そうですよ!」
「それはわしのことを言っておるのか!?」
もう一人の変わった話し方をする女子(?)が二人に議論をたてる
「木下以外に誰がいるのよ!」
「何故わしなのじゃ!わしは男じゃと言っておろうが!」
苦労人がもう一人……
「全員静かにしろ!!」
-シン
西村先生の一喝で全員が静まる
強っ……!
「出席をとる。全員席に座るんだ」
「西村先生?」
「どうした萩野」
「俺の席は?」
「席は自由だ」
「はい……」
自由席か……っても、後ろ側しか開いてないな
唯一開いていた茶髪の少年の隣に腰を下ろす
「ふぅ……」
思わずため息がでる
「ねぇ……えっと、萩野さん?」
「ん?」
隣の茶髪の少年から声をかけられた
「誰?」
「あ、そうか。自己紹介をしてなかったね。僕は吉井明久だよ。よろしくね」
「改めて、萩野倖だ。よろしく」
「萩野」
今度は逆の隣から声をかけられた
「はい?」
振り返ると赤髪の大柄な(西村先生程ではないが)男がいた
「俺は坂本雄二。Fクラスの代表だ」
「そうなのか。こちらこそよろしく」
軽く会釈する
成績不良のクラスだからみんな柄が悪いかと思ったが、意外にそうではなく礼儀正しそうだ
だが、その考えはある行動によって一変した
「坂本」「…………」
西村先生が彼の出欠をとる
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