転校生

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「……明久がラブレターを貰ったようだ」 雄二が呟いた 何が言いたいん…… 『『『殺せぇぇっ!!』』』 クラスメイト全員が反応した! 「ゆ、雄二!いきなりなんてことを言い出すのさ!」 『どういうことだ!?吉井がそんな物を貰うなんて!』 滅茶苦茶言われたな吉井 『それなら俺たちだって貰っていてもおかしくないはずだ!自分の席の近くを探してみろ!』 吉井とコイツらは同レベルか? 『ダメだ!腐りかけのパンと食べかけのパンしか出てこない!』 何故だ!? 『もっとよく探せ!』 他にない気がするが 『……出てきたっ!未開封のパンだ!』 何だと!? 『お前は何を探しているんだ!?』 もっともだ! クラスの奴らの言葉に心中つっこみを入れていると 「お前らっ!静かにしろ!」 ―シン 一撃でまた静まった! 「それでは出欠確認を続けるぞ」 西村先生が出席簿を捲る とにかく修まったな 「手塚」「吉井コロス」 「藤堂」「吉井コロス」 「戸沢」「吉井コロス」 修まってなかった 「皆落ち着くんだ!なぜだか返事が『吉井コロス』に変わっているよ!」 当然の反応を吉井が見せる 「吉井、静かにしろ!」 「先生、ここで注意するべき相手は僕じゃないでしょう!?このままだとクラスの皆は僕に殴る蹴るの暴行を加えてしまいますよ!」 「新田」「吉井コロス」 「布田」「吉井マジ殺す」 「根岸」「吉井ブチ殺す」 聞いてないな……酷い扱いだ 「よし。遅刻欠席はなしだな。今日も一日勉学に励むように」 西村先生スゲェ……この殺気を無視できるなんて 「待って先生!行かないで!可愛い生徒を見殺しにしないで!」 吉井が必死に呼び止める 「吉井、間違えるな」 西村先生は一拍置いて 「お前は不細工だ」 「不細工とまで言われるとは思わなかったよバカ!」 とりあえず……吉井に合掌しておくか
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