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レンは剣を横に薙ぐ。
それを男はかがんでかわして上に斬り上げた。
レンもかわして後ろに飛ぶ。
「光よ」
「毒よ」
黄色と紫の閃光がぶつかり、相殺して消える。
レンは弓を放つ。
それを切り払いながら男は接近する。
「水よ」
前方に水流、それが男を巻き込み吹き飛ばす。
しかし、
「刀が勝手に動いた!?」
刀が男の手をはなれ、レンを狙ったのだ。
なんとかよけるが、腰に掠り傷ができた。
「名前、やっぱ名乗ってもらおうか」
男は立ち上がり、刀を持つ。
「私自身に名はありません」
男は剣を弄びながら言う。
「つまりどういうことだ」
「私は作られているんですよ」
「答えになってないぞ」
「私はこの刀の力によって存在しているんです」
男は刀を撫でる。
「私達の名は『グラトニー』。血を常に求める『食欲』の罪を持つ悪魔、短い間ですが、よろしくお願いいたします」
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