第一章 黒い玉

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目覚めると既に時計は午後3時を回っていた。 思っていたよりも、肉体に疲労が蓄積していたようだ。 「まぁ、今日は休みだから良いか」 そして、コーヒーを飲みながら今日の予定に、考えを巡らせる。 「久しぶりにキャバでも行くか。」 そう考えると、いてもたってもいられず、すぐに準備に取り掛かる事にした。 もちろん息子がおっきしていたのは内緒だ。 …数時間後、電車に揺られながら繁華街に向かう俺がいる。 ドアのガラスに写るのは、黒髪で片側だけ目が隠れ、七分丈の黒のシャツにジーンズを履いた男だった。 その頭の中にいるのは、いつも指名している“アキちゃん”の事。 今日こそは、お持ち帰りしてやる等の邪まな考えは無い。 …おそらく……
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