15人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくすると、様々な明りにてらされ、呼び込みや同伴しているオッサンどもが賑わう、建物の群れが見えてくる。
それらは眠る事を知らないよう、昼間のような明るさを保ち続けている。
その身をそこに溶け込ませ、目当ての店に到着した。
“リップエアライン”
店名を確認して、息子と期待を膨らませながら店に入った。
「一名様ご来店でーす」
そう、言われながら金髪の今風ボーイに通される。
ピンク色の光をひと際大きいミラーボールが反射させ、妖艶なる雰囲気を漂わせている。
ソファー席でセクハラまがいのお触りをしているオッサンどもは、幸せそうな面だ。
「気持ちわり…」
呟きながら、自分もそうみえるのかと思うと、気持ちが沈んだ。
店の奥にある半個室の席に通される。
「アキちゃんご指名ですね、少々おまちください。」
「あきちゃん指名入りましたああああああー!!!」
店内全域に轟く声に対して俺は思った。
こいつヤッチャッテモいいかな…
最初のコメントを投稿しよう!