第一章 黒い玉

6/16
前へ
/51ページ
次へ
数分後ついにアキちゃんはきた。 紫色の光沢のあるドレスは肩と胸、太ももを激しく露出させ、明るいブラウン色の髪は上にもっている。 胸はCってとこか。 顔はやや童顔だがたれ目で愛嬌がある。 もろ、どストライクだ。 「ご指名有難うございまぁーす。アキです。」 「待った??」 「全然まってないよっ!!アキたんと会えるなら24時間まっちゃうにゃん」 …我ながら情けない……が、浮かれながら話を進める。 職場仲間の事や、最近のドラマの話をしていく中、アキは何度も頷き、笑顔をみせる。 「アキたん萌え…」 しばらくして、話題が無くなってきたので不意に昨日の出来事を話題に出す。 「ところでさ、昨日起きた時こんな黒い玉があったんだけど不思議じゃない??」 ジーンズのポケットから黒い玉をみせる。 するとアキちゃんの顔から次第に笑顔が消え、真剣な表情へと変わっていく。 「…私も持ってる。」 「ほえっ?」 意外な答えに俺は目を丸くする。 しかし、構わずアキちゃんは言葉を紡いでいく。 「勇助は、その玉について何も知らないの??」 少し考えるような素振りをみせ、 「私もうすぐあがりだから、店の近くのbarで待ってて…」 と言い席から離れて行った。 「店外デートきたこれ」 もちろん、断る理由も無いので、さっさっと店を後にし、指定された場所へ急ぐのであった。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加