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『バシャバシャバシャ……』
包帯を顔に巻いた男が水のの張った狭い暗闇の中を走っていた。
「ここは……どこだ……。」
辺りを見渡すが何一つとして見えず暗黒がすべてを隠している、わかるのは壁に手が触れ足は水に浸かっているということのみ
。
「くっ……。」
仕方なく歩き出す包帯の男そして数メートル進むと壁はなくなり月光が後ろから照らしている、振り向くとそこは長いトンネルと言うことがわかった。
「ここはどこなんだ?……。」
ゆっくりと足を進めているうち足元にある何かにつまずき倒れた。
『バシャーン!。』
「クソ!なんだ!?。」
月に照らされているとはいえやはり暗い、しゃがみ手探りでその物体に触れると――硬質ながらも柔らかい何かを身に纏った人のような感触だ。
「人間……大丈夫か!。」
しかし返事はない。
「おい!。」
肩を掴み抱えながら揺さぶるが効果はなくそしてその人間の顔から光りがぼんやりと灯された。
「?……。」
それは眼(まなこ)からともされる僅な光がその者の顔を見せるその顔は“飛蝗の仮面”。
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