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君は学校の七不思議をご存じだろうか？
所謂トイレの花子さんやベートーベンの肖像画の目が動く等々がそれだ。大抵どの学校にもあり、全ての話を知ると呪われるなんて話もあって、しかし断言しても良いが絶対に呪われるなんて事はない、むしろ七不思議全てが信憑性の欠片もない誰かの作り話。それが学校の七不思議だ。
実は僕の学校にもそういう類の話がある。僕としては高校生にもなってそんなの考える気力がよく湧き出てくるな、なんてすでに作り話と決めつけているのはさて置き、とにかく僕の学校にもあるのだ。
学校の七不思議ならぬ、九不思議が……
……何だ九不思議って？
一般のより二つほど多い。七不思議と比べると語呂も悪いし、何だか取って付けた感もある。いや、実際そうなのだろう。廊下ですれ違った何組だかもわからない女子二人が「九不思議の二つは最近プラスされたらしいよ」なんて事を話していたのを聞いた事がある。
さて、最初に言っておくべきだったが、僕はこの手の話をまったく信じちゃいない。
それなのにこうして長々と文章を書き連ねているのは、つまり僕が九不思議に巻き込まれたからだ。
いや、巻き込まれたじゃ語弊があるか。訂正しよう、巻き込まれたんじゃなく自分から首を突っ込んでいったんだ。
九不思議である、天野レイの世界に――――
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