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「手当てするから、脱いで」
「大丈夫、自分でやるよ」
泣いて鼻を真っ赤にした真利は私をソファに座らせ言った。
「脱げよ」
「っ、…分かった」
泥の付いたブレザーを袖から抜いて真利に渡す、邪魔になるリボンも首から抜き取った。
「っ」
「あれ、染みた?」
「大丈夫、だよ」
私からワイシャツを脱がそうとはしない。傷の位置までワイシャツをめくるだけだった。
「いたっ!」
「これ」
真利は太股の辺りを強く突く。
「昨日俺が作ったやつだよな」
「いたい…!」
真利が言う、作ったやつは大きな青痣の事だった。突くだけではなく、ぐりぐりと押し続ける真利。
「っあ」
その痛みはちくりとした物に一瞬だけ変わった。
「俺の、って印」
ぺろ、と下を出して笑う真利に一瞬泣きそうになった。不意打ち過ぎるから困る。
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