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でも今日はそっちの方が好都合だと思った。
私はブレザーのポケットで小さくなった手紙に触れた。『今日放課後、体育館裏ね』、そんな事を書かれた安い手紙。呼び出される理由なんて一つしかなかった。
「葉澄どした?」
「ううん、大丈夫」
へらっとした笑顔を見せると、真利は顔をしかめた。
真利と透くんとは違うクラスだった。もし同じクラスだったらどうなっていたのかな、とかたまに考えてしまう。
そして気持ちいいくらいにチャイムが鳴り響いた。
私は授業の度に、自分の落書きがされた教科書を机に広げた。目茶苦茶になってない教科書を見て私は良かったと思う。
「じゃ、気をつけて帰れよー」
「さよならー」
がたがたと机が動く、バタバタと人が動く。机に広げられた教科書を見て寝ていた事に気付く、…いつから?そんなに疲れてた?私、
「葉澄、ずっーと寝てたよ」
「……美遥、…」
声に釣られて顔を上げる、肩にエナメルバックを背負った美遥が眩しく写った。
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